「話しづらい」をそのままにしない。〜UniVoが目指す、誰もが過ごしやすい南山へ【後編】〜
記事の概要
前編では、南山大学の学生団体UniVoが実施した「生理に関する理解度チェックアンケート」の結果をもとに、南山大生の生理に関する理解度や、学内で見えてきた課題について紹介しました。
アンケートからは、学内トイレへの生理用品設置について、男女ともに肯定的な意見が多いことがわかりました。一方で、PMSや低用量ピル、突然生理が始まった際のリスクなど、より具体的な困りごとについては理解に差があることも見えてきました。
また、生理について「もっと知りたい」と思う人がいる一方で、「話題にしづらい」「相談しづらい」と感じる人もいます。
後編では、こうした結果を受けて、UniVoがどのような活動を進めているのか、そして今後どのような取り組みを予定しているのかを伺いました。
目次
UniVoの活動とこれからの取り組み【後編】
UniVoが取り組む「女性支援」と「外国人支援」
前編でも少し紹介しましたが、改めてUniVoさんの活動について教えてください。
私たちは、「“つながり”を力に」をスローガンに活動する南山大学の学生団体です。
「今の私たちだからこそできることはないか」「ただ受け身で過ごす大学生活ではなく、自分たちの手で社会にポジティブな影響を与えたい」という考えのもと、昨年9月に発足しました。
活動の主軸は、女性支援と外国人支援です。
女性支援では、誰もが快適に学生生活を送れるよう、学内の主要トイレへの生理用品設置に取り組んでいます。この活動は、今年度の南山チャレンジプロジェクトにも採択されています。
外国人支援では、在日アフガニスタン人のご家族への日本語学習サポートや、積極的な文化交流を行っています。
女性支援だけでなく、外国人支援にも取り組まれているのですね。
はい。UniVoという名前は、
「Universal Voice」の略称です。
世界には、人種や性別もさまざまな人がいます。そういった多様な人たちの声を集めて、反映させていきたいという思いが込められています。
女性支援と外国人支援は、一見すると別々の活動に見えるかもしれません。しかし、どちらも「声が届きにくい人の困りごとを可視化し、支え合える環境をつくる」という点では共通しています。
なぜ、生理用品設置に取り組むのか
UniVoは、学内の主要トイレへの生理用品設置に取り組んでいます。
この活動の背景には、単に「生理用品があったら便利」というだけではなく、急な生理や体調不良によって、大学生活に不安を感じる学生の存在があります。
UniVoさんが生理用品設置に取り組む中で、特に印象に残っている声はありますか?
私たちが設置活動を行う中で、一番多く寄せられる利用理由は、「急に生理が始まってしまった」という声です。
生理はホルモンバランスに左右されるため、予測することがなかなか難しいものです。特に南山大学のキャンパスは広いため、突然の事態に不安を覚える学生も少なくありません。
そうしたときに、学内に生理用品が設置されていることは、安心して学生生活を送るための一つの支えになると考えています。
↑ 生理用品が設置されている場所
生理用品の設置は、単なる便利さだけではないということですね。
そうです。
生理は、症状や状況によっては学業に支障をきたしたり、心身の健康を脅かしたりするリスクがあります。
だからこそ、いざという時に頼れるものがあることは大切です。女子学生が一人でタブー視して抱え込みすぎず、必要なときには周囲や専門機関に頼れるようになることも重要だと考えています。
「一人で抱え込まない」ために必要なこと
前編で紹介したアンケート結果からは、多くの女子学生が生理に関する不調を抱えながらも、産婦人科などの専門機関に相談することには心理的なハードルを感じている可能性が見えてきました。
鎮痛剤を飲んで耐える、我慢する、相談せずにやり過ごす。
そうした状況が当たり前になってしまうと、生理に関する困りごとは見えにくいままになってしまいます。
アンケート結果を踏まえて、南山大生に特に知ってほしいことはありますか?
生理は、症状や状況によっては学業に支障をきたしたり、心身の健康を脅かしたりするリスクがあります。
だからこそ、女子学生が一人でタブー視して抱え込みすぎず、いざという時には産婦人科や学内の保健センターへ迷わず頼れるようになることが大切です。
そのためには、デリケートな話題だからと遠ざけるのではなく、一人ひとりが「自分は正しい知識を持っているだろうか」と一度振り返ってみることが、学内の風潮を変える第一歩になると考えています。
「生理について知ること」は、性別に関係なく大切なことだと感じますね。
はい。性別を問わず、お互いに自然に支え合える関係を築き、大学全体としても、誰もが安心して過ごせる環境を整えていくことが私たちの理想です。
私たちUniVoも、男女双方の生理や生理用品への理解が深まるよう、これからも正しい情報を提供し、誰もが頼り合える温かい学内環境づくりに努めていきます。
アンケート結果を受けて、UniVoが今後取り組みたいこと
今回のアンケートでは、生理用品の設置に対する肯定的な意見だけでなく、生理や性教育について学ぶ機会への関心も見られました。
特に、男性側から「生理についてもっと知りたい」「生理中の人にどう接すればよいのか知りたい」といった声が寄せられたことは、UniVoにとっても前向きな発見だったといいます。
女性の回答
男性の回答
今回のアンケート結果を受けて、UniVoとして今後取り組みたいことはありますか?
今回のアンケート結果を受けて、私たちは、12月に「生理の貧困」や「包括的性教育」をテーマにした大型イベントを開催する方向で動き出しています。
このイベントでは、学生だけでなく、他大学の学生や、専門家、大学教授、企業で働く方など、さまざまな立場の方をお招きする予定です。
一方的に知識を教えるのではなく、産官学が一体となって、フラットに意見交換し、学び合える場をつくることを目指しています。
イベントに向けて、さらに調査も行う予定だと伺いました。
はい。イベントに向けては、より多角的な視点から、追加で大規模なアンケート調査を実施する予定です。
今回のアンケートでは、学内トイレへの生理用品設置に対して、男女ともに肯定的な意見が多いことがわかりました。
ただ、今後この活動を大学全体の恒久的な仕組みとして定着させていくためには、「ただ欲しいから設置する」という段階から一歩進む必要があります。
金銭面、環境面、精神面など、学生が具体的にどのような面で困っているのかを、より丁寧に把握していきたいと考えています。
生理用品設置を「続く仕組み」にするために
UniVoの生理用品設置活動は、単発の取り組みではなく、学生が安心して過ごせる学内環境をつくるための継続的な活動です。
一方で、活動を続けていくためには、利用する側の理解や協力も必要になります。
生理用品を利用する学生に向けて、伝えたいことはありますか?
生理用品の設置は、困ったときに誰かを支えるための仕組みです。
だからこそ、「必要な人が、必要なときに使える状態」をみんなで守っていくことが大切だと考えています。
利用する際には、一人ひとりが周囲の人のことも考えながら、節度を持って使っていただけると嬉しいです。
仕組みをつくるだけでなく、それをどう維持するかも大切ですね。
はい。生理用品が置かれていることを「当たり前」にしていくためには、ただ設置するだけではなく、その意味を知ってもらうことも必要です。
困っている誰かのために、そして自分自身が困ったときのために、支え合える環境を一緒につくっていけたらと思っています。
UniVoの活動に関わるには
UniVoでは、女性支援や外国人支援を中心に、学内外でさまざまな活動を行っています。
活動に関心を持った人は、Instagramから活動の様子を確認したり、DMで問い合わせたりすることができます。
UniVoの活動に関心を持った学生は、どのように関わることができますか?
UniVoの活動に興味を持ってくださった方は、ぜひInstagramをチェックしてみてください。
毎週、私たちの活動の様子を発信しています。また、今後開催予定のイベント情報なども、Instagramでお知らせしていく予定です。
メンバーとして一緒に活動したい方は、InstagramのDMからご連絡ください。
また、他団体で「UniVoとコラボしたい」「一緒に企画をしてみたい」と思ってくださった方は、渉外用メールアドレスまでご連絡いただけると嬉しいです。
Instagram:https://www.instagram.com/univo_nanzan/
「話しづらい」を、そのままにしないために
最後に、この記事を読む南山大生に向けてメッセージをお願いします。
生理は、誰か一人だけで抱えるものではありません。
症状や状況によっては、学業に支障をきたしたり、心身の健康を脅かしたりすることもあります。だからこそ、困ったときには一人で抱え込まず、必要なときには産婦人科や学内の保健センターなどを頼ってほしいです。
また、周囲の人も、「自分には関係ない」と遠ざけるのではなく、正しい知識を持ち、必要なときに自然に支え合える関係を築いていくことが大切だと思います。
私たちUniVoも、これからも生理や生理用品への理解が深まるよう、正しい情報を提供し、誰もが頼り合える温かい学内環境づくりに努めていきます。
「学びたい男性」と「発信をためらう女性」
前後編にわたって、UniVoが実施した「生理に関する理解度チェックアンケート」と、そこから見えてきた南山大生の意識、そしてUniVoの活動について紹介しました。
アンケート結果から見えてきたのは、生理用品設置への肯定的な声だけではありません。
生理について「もっと知りたい」と思う人がいること。 一方で、「話題にしづらい」「相談しづらい」と感じている人がいること。 そして、困ったときに頼れる仕組みや、正しい知識を得られる機会が必要とされていること。
生理について考えることは、特定の誰かだけの問題ではなく、同じ大学で過ごす学生同士が、互いに安心して過ごせる環境をつくることにもつながります。
「話しづらいから触れない」のではなく、少しずつ知り、考え、支え合える大学へ。
UniVoの活動は、その一歩を南山大学の中からつくろうとしています。
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